独白？

新年の小祭のためにビックサイトに向かうべく友人と電車に乗り、数駅過ぎた頃の事。

「平城京遷都行かないんですか、平城京遷都！　平城京ですよ、奈良の。　行った方がいいですよ、今年は1300年ですからね！」っておじさんの声が聞こえ…あ〜、行くのか、平城京…でもせんとくん可愛くないんだもんなぁ…それにしても相手の返事聞こえないし…と思ってそちらを見たら、お一人様。
ん？と思ってよくよく見たけどやっぱりお一人様。
おっちゃんの周囲に座ってる人もいないし。
あり？そんじゃ乗る時に話し相手とは別れちゃったのか？と思ったけれどまだ喋ってるし。
ひょっとして隣じゃなくて向かいの席か？声デカイし…と思ったけれど…やっぱりお一人様。
あらあらまぁまぁ…

件のおじちゃん、その後も延々喋り続け…
独白？ひとり言なの？
…いやいやいや…口調といい、間合いといい、どう聞いても誰かと喋ってる感じ。
我々には見えないけれど、きっとおじちゃんには見えて聞こえる誰かがいるに違いない！

そうこうしている間にも謎の人との会話は淀みなく進み、話題も次から次へと移り変わり。
時々知ってる人に似た人に出会ってる模様で、見えない誰かと「あれ？　この間…なぁ、大阪の空港で会ったよな？」とか言ってるトコに乗り合わせちゃった人が「いえ、人違いだと思いますよ…」なんて返事しちゃってたり。

途中で乗って来た人に「うるさいから他所でやれよ！」とか怒鳴られたりもしてたけど、まぁ、ちょっと声が大きいけれど喚きちらすわけでもないし隣近所の人に絡むわけでもないから、別にいーじゃん…っつーか、怒鳴ってるアナタの方がうるさいですけど…
文句はおじちゃんの耳には全く届いてなかったようで、態度も声の大きさも口調もスピードも全く変わらず…結局、文句を言ってた人の方が先に降りちゃったけど。
その後もおじちゃんは何事もなかったかのように見えない誰かと延々喋り続け…

ついに我々の降りる駅に着いちゃったので、非常に心残りではあったけれどやむなく電車を降りました。
あ〜、「地下鉄博物館行こう」とか「スタンプラリーやろう」みたいな個人的な予定だったら予定変更しておじちゃんが降りるまで聞いてたかったのにな…残念！
あのおじちゃん、どこまで行ったんだろう…ずっとあの調子だったのかな…他にどんな話題が出て来たんだろう…いろいろ気になる…(^^;